対岸(Michigan)のブランパン

Unnecessary but Practically Unnecessary

不必要ではあるとはいえ、実際にはあまり必要のない物たち

イリノイ生まれの輝ける使者【ミステリークロック ゴールデンアワー】

筆者の務める事務所の隣のテナントで不動産業を営むDaniel(本名)が、ある日こんなジョークを教えてくれた。

 

"Stop complaining about your life. There are literally people living in Illinois."

(筆者意訳:人生にあれこれ文句言うのはやめにしようぜ。この世界には、あのイリノイにマジで住んでるヤツだっているんだから。)

 

 何故50もある州の中から、選ばれたのはイリノイでしたか?と訊けば、

”アメリカでは、東海岸あるいは西海岸寄りほどほど刺激的で、内陸へ行くほど退屈、という認識が何となくある。”

”そういう意味では、内陸ならどこの州でも当てはまるから、イリノイにしたのは何というか、気分だな。”

ということらしい。

 

 

だが。

果たしてイリノイ州はそれほど退屈であろうか?

と筆者は疑問を呈さずにはいられない。

 

何せイリノイ州は、彼の有名なJefferson Golden Hourが生まれ出でた地であるのだから。

www.roger-russell.com

 

 

Golden Hourと言えば、イリノイ州にて創業したJefferson Electric社約41年間にも渡って生産したミステリークロックである。生産期間の長さに普及帯の価格(最初期で$20程度)だったことも相まって、相当数が流通したという。その見た目も一役買って、今でもミステリークロックと言えばまずいの一番に名前が挙がるものと憶測する。

曲がりなりにも米国の地に降り立ったならば、ゴールデンアワーの3つや4つは買って帰りたい、と考えるのは至極自然な話である。以前も少し書いたが、暇を見つけてはアンティークショップに足を運んで探していた。

www.raretsu.com

 

だが探せど探せど、腑に落ちる個体というのは意外なほどに見つからない。

状態が良いと思えば$200を超えていたり、$40と聞いてみれば見るも無残にメッキが剥げていたり、$60で綺麗かと思えばコードが切断された不動品であったり、となかなか落としどころが見つからないのである。

 

ついにはトロント観光の際、名店と名高いシンシア・フィンドレー・アンティークに寄った際、ご主人に相談してみた。

www.cynthiafindlay.comすると、

”今は扱ってないなあ。eBayにはないのか?”

との天啓を頂いてしまった。

 

 

そんな経緯で苦節半年、ついに入手に漕ぎ着けたわけである。

eBayで。

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相変わらずの配達スタイル。あと5歩くらい歩けば、ドアの前に置けると思うのだが。

 

 

配達スタイルの安定感はさておき、このイリノイから発送された輝ける物品、早速開封してみると、予想以上になかなかどうして状態が良さそうである。

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正面。塗装にも目立った剥げはない。

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裏面。こちらも目立った剥げは見受けられない。

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インデックスもはっきり視認可能。

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メカニズムの要たる錘の部分も、いい塩梅に見える。

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時計越しに時計の時間が読める程度には、ガラスの状態も良い。

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時計越しに時計の裏側が確認できる程度には、(以下割愛)

 


本当にゴールデンアワーを愛してやまない諸兄姉であれば、

 

”裏面に『PATENT PENDING』って書いていなければダメだ!”

(書いてあれば1950年代製造の品、つまり初期品という事らしい)

 

居丈高に叫ばれる事請け合いであろうと察しはつくが、すこぶる志の低い筆者としては何となく見た目が綺麗で動けばそれで良い。

価格も送料込みで$60程度。アンティークショップの相場から考えると、かなりお手頃だったように感じる。

 

  

 

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サイズもそれほど大きいわけでもなく、米国内発送につき送料もお手頃。

年代や形状違いも視野に入れれば、バリエーションも豊かである。作動音は聞こえないほど静かだし、いくつあっても困る物でもなし、むしろ浴びるほど集めてみたくもなる、そんな愛らしさがあるといっては過言ではある。

 

 

強いて言えば、説明書がないので

”どうやって時間を合わせるのか皆目見当もつかない”

というのが目下の問題だったりもするが、まあ些末な問題だろう。

 

 

Raretsu