対岸(Michigan)のブランパン

Unnecessary but Practically Unnecessary

不必要ではあるとはいえ、実際にはあまり必要のない物たち

仄かな夜光をたたえしイリノイの使者【ジェファーソン ミステリークロック】

 

eBay大使の粋な計らいで、満を持してイリノイよりこのミシガンへと降り立ったGolden Hourについては、先日の記事にてその経緯を冗長に垂れ流した。

www.raretsu.com

 

しかし、これも垂れ流した通り説明書は付属していなかったため、使い方をはじめとして情報収集する必要がある。

ところが実際に情報収集を千鳥足に進めてみると、雑学的なものから、多少留意すべき点までいくつかの興味深い情報が見受けられた。

本来であれば購入の前にもっと十全たる調べをしておくべきであろうし、そもそも他のオーナーの諸兄姉は既にご存知とは思われる。また、このような辺境ブログに記したところで何の役に立つものかという思惑もあろうが、主に記憶の抜け落ちやすい筆者の備忘録としても、いくつか記録を残しておきたい。

 

 

夜光塗料に関する情報

製造年代の大まかな判別方法について

ボディの材質について

ガラスの材質について

周波数について

恐ろしいサイトについて

 

 

 

夜光塗料に関する情報

まずこのGolden Hourには、針あるいはインデックスに夜光塗料が使用されているものがある。購入してから気づいたような愚鈍は筆者くらいであろうが、ともかく実際に暗闇に晒してみるとこのようである。

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短くて太い方が時針、長くて細い方が分針である。

光ると言ってもかなり控えめで、正直これを恃みに時刻を判断するシチュエーションが訪れることはあまり無いだろう。ただ一応留意すべき点は、夜光塗料が使用されているという事、それ自体である。

 

夜光塗料はいくつか段階を経て進化している。現在はとある日本企業が開発した『ルミノバ』と呼ばれる放射性物質を含まない塗料が主流であるが、これ以前はラジウムトリチウムといった、いわゆる放射性物質とされるものが含まれている場合もあった。実際、アンティーク或いはヴィンテージ時計などにはしばしば見られる仕様である。

そしてこのGolden Hourは、およそ41年間生産され続けたロングセラーの製品であるが、最後の生産は1991年8月とされている。一方ルミノバ1993年に開発された塗料であるため、この時計には使われ得ない。つまりラジウムの使用が禁止されるまでの期間に製造された個体については、ラジウム等の放射性物質を含む可能性があると推測できる。

実際に調べた限り、複数のサイトで”ラジウム”の使用に関する言及があった。ラジウム226の場合、その半減期はおよそ1600年であるから、つまりはまだまだ現役である。


また、Youtubeにて"Jeffeson Golden Hour"などと検索すると、その線量を計測している動画も見つけることができる。

www.youtube.com

とはいえ先にも述べた通り、年代の古い時計にこの手の塗料が使われている事はしばしばある。上の動画でも言及されているが、家に置いたらその瞬間にどうにかなるとかそういうそういう話ではない。もちろん、

毎日抱きしめて寝る

とか、

塗料の部分を舐めて溺愛する

といった事は当然避けるべきであろうが、そもそもそんな諸兄姉はおられないだろう。

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ご覧のように、針はいずれも剥き出しではある。

また、1960年代以降(恐らく1965年以降)のモデルについては、そもそもラジウムとは異なる夜光塗料が使用されているようであるだ。

 

 

製造年代の大まかな判別方法について

先日の記事でも多少触れたが、裏蓋の仕様によってある程度製造年代が特定できるようである。古い順で、

赤茶色の蓋(PATENT PENDINGと記載のあるもの)

赤茶色の蓋(PATENT Numberの記載のあるもの)

黒色の蓋

となっており、特にPATENT PENDINGの記載のあるものは1950年代だそうである。また黒色の蓋のものは後期モデルで製造年月が刻印されているため、何年の何月に製造されたものかが判別可能ということらしい。

 

筆者が購入した個体の裏蓋は黒色で、『J8206』との刻印があるので、1982年6月製造のようだ。

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1982年製ということは、ラジウムは既に使われていない物ということになるのだろう。

1991年までの製造であったはずだから、筆者のものはかなり後期の作にあたるようだ。保存状態の良さから見ても頷ける。

 

ボディの材質について

このGolden Hour、持ってみると意外にずっしりとする。

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電源コードも含めて約1kgという重量である。

この重さから察せられる通りボディは金属製であり、年代によって移り変わりはあるものの、基本的には一部の駆動部品に鉄製部品が、残りの大半は亜鉛合金で構成されているようである。表面はGold-Plated、即ち金メッキによるもので、これがGolden Hourの名を呼ばせる所以にもなっているようだ。

 

 

ガラスの材質について

腕時計であれば、風防に使われるのは主にサファイアガラス・ミネラルガラス(クリスタルガラス)・プレキシガラス(プラスチック)等が主流であるが、このGolden Hourに関しては、殆ど一般的な窓ガラスと同様の材質で構成されているとの事である。

 

 

周波数について

これは購入時にもよく指摘されている事で、浅学なる筆者も流石に承知の上で購入したが、この商品は60Hz専用である。米国で使用する分には全く問題ないが、日本で使いたい場合は60Hz地域かそうでないか、を確認しなくてはならない。

ちなみに筆者の日本における住まいは、残念ながら関東地方である。

 

 

恐ろしいサイトについて

さて、筆者の興味をひいた観点のみについて記載をしてきたが、いくつもあるサイトの中にあって、突出して情報量の多いサイトが1つ存在する。その情報量たるや、ちょっと常軌を逸していると言っても過言ではない範疇にあるほどである。いずれにせよ、少なくともこういった冗長なブログを参照するよりは、圧倒的かつ決定的に有用であることは火を見るよりも明らかである。

 

 

 

そういえば色々垂れ流しておいて未だに時刻の合わせ方がピンと来ていないが、まあ些末な問題だろう。

 

Raretsu